バカの本

バカの壁なんて読んでいない。そのうち読んだほうがいいのだろうかー。人の事をバカバカって言うのならせめて。

でも『まれに見るバカ』はおもしろかった。

そこで堂々第一位の「今日のバカ」を電話先の営業マンにささげたい。代表取締役の名前を確認したかっただけなのに、FAXを送るというので「漢字を言っていただければ良いですよ」とやんわりと提案したところ「その漢字が僕には難し過ぎるのです!あぁ、なんとも形容しがたいのです!」と。まぁ大袈裟この上ない。

「サクラという字がですね、木へんに貝という字を二つ書いた下に女と書くのです。こんな字は見たことがありません!」
「(小声で)旧字体の櫻なんですね・・・。」
「それから名前のコウの字が糸へんに・・・カタカナのナ〜ム〜ってかいたような、えーっとなんと言ったら良いんでしょうねぇ?」
「あー、紘ですね。確かにナムって・・・、あー、なるほど分かりました。」

ぱくりと自分の無教養さをさらけ出せる強みって。すげえ。しかも意外と印象悪くない。・・・なんて事を彼は計算していないのだろうけど。こういうさっぱりとした、卑屈さもなければ尊大でもない、そんなバカに私はなりたい。(嘘)

「まれに見るバカ」勢古浩爾 / 洋泉社(新書)756円