押尾学事件を日陰にする為なのかひたすら酒井法子がお茶の間でフューチャーされる、日本の夏。薬事情の夏。夏休みの自由研究課題でこの周辺のトピックを拾い上げた小学生が、親御さん達の間で白眼視される日も近いですね。私としては性教育とあわせてドラッ…
ありあまるチョイスの中からどの本を読むかは、多少なりとも時勢に左右されるのが人の情。自衛隊ソマリア派遣のころに「ブラックラグーン」を見たくなるのと同じような動機で、北朝鮮が不穏になると「毛沢東の私生活」を読みたくなった。経済学だのマルクス…
ハッカーとガカ。おかしな語呂あわせのようなタイトルだが一理あるよね?と興味を持って読んだものの、いまいち刺さらず。ハッカーとオタクとナードの差をうまく説明してるなと笑ったけど、立ち上げたベンチャービジネスを売り抜けたIT勝ち組の普通の成功体…
オックスフォード英語辞典に多大な貢献をした言語オタクを訪ねてみると、キ●ガイ病院に監禁された米国陸軍医だったというセンセーショナルなお涙頂戴裏話以外の魅力が大きい本。どういった背景からこの英語辞典という一大事業が始まり、どのように運営されて…
最初に豊穣の海を読んだのは、たまたま手元に現金がなくて大学に行くのに困ったので図書券をくすねてきたからだった。500円券二枚で580円の文庫本を買えば、お釣りが500円券一枚で買えるどんな本よりもたくさんもらえる。たまたま目にとまった500円台の文庫…
非常に下品な本だなーと思いながらも、ニヤニヤしながら一気に読みきってしまいました。戦記モノにしては妙なリアリティーを提供しようと、意固地になっているような作品です。ライトノベルなんだし、と普通は甘くなるような部分をやけに詰めてきて、大枠の…
いろいろな事柄がぴったりのタイミングで重なって不細工道を突っ走り始めたこの夏に旋律を覚えながらも非常に納得した一冊「晩鐘」。乃南アサの「風紋」の続編である、不倫のハテに殺された母の娘として、事件当時高校生だった主人公が大学を卒業して就職し…
最後に書いたのが転職前の一番ダラダラの時。そして職を得てからビシっと放置、という妙な筋を通してしまいましたが、別に本を読んでいなかったというわけではないのです。確かに通勤時間が短すぎて本を持ち歩かなくなったのですが、それより書き記すという…
3月までアニメ放映もされていた闘牌伝説アカギの「見えている人間は選べる」というキメ台詞がありまして。 「見えてる人間は選べるんですよ…! 見えていることをそのまま知らせること 見えてない時に見えている振りをすること そして 見えていても 見えてな…
今、家族の中で村上春樹が流行っています。むかーしむかし、村上春樹がはやったころから敬遠し続けていた意固地な母が、読むものがなくて仕方なく買ってきてみたところ(そのくらいはノンポリ)両親そろってハマって買いあさっている。私はというと、村上春…
小さいころから「ウチは特別なのよ」と言われて育って、大きくなってみると親が言わんとしていた事と違った意味でなるほどウチは変わってるなと気づく。親の天然ぶりに気づくようになったとは、オレも大人になったなと。でもこの中で育ってしまって自分では…
テクノでもトランスでもポップでもロックでも聞く。アンビやジャムバンドも聞くからマニアックなのかと思えば歌謡曲やアニメの主題歌も聞く。しかも趣味は比較的悪い方だと思われる。なのに、演歌だけはワンフレーズでも許せない。それと同じような調子で渡…
世界で一番売れてしまっていると言われて久しいドラゴンボール。そろそろドラゴンボールを読んで育った文化も歴史も違った国の子供達が、結婚したり子供をもうける年頃になっていることでしょう。日本に憧れるあまり自分の子供に「ゴクウ」と名づけちゃった…
小池真理子は特に好きじゃないのだけれども。読み出すとずずーっと足をとられるような具合で、読まずにはいられなくなる数少ない作家ではある。登場人物の発散する魅力の傾向だとか、日本の文化人(?)を取り巻くある種の階級への憧れとか、70年代に青春を…
今年はカードマジックのプロ養成コーチが教えるマジックレッスンDVDというものの制作に関わったおかげで、超絶技巧のマジックを目の前で見る機会にちょくちょく恵まれました。タネが分かったってできるものではないスね。タハ〜。このくらいできれば中堅サイ…
後々から歴史を振り返ってみて、明らかにこの人はオカシイなと思う人のひとり、聖徳太子。彼の持ったビジョンが今から考えてもえらかったとか、本人が突出して優秀だったとかはおいておいて、周囲の人から見たらえらい迷惑だったろうなぁという話が「爆撃聖…
冠婚葬祭による召集で、久しぶりに同世代の従兄弟が集まった。幼少期をバラバラの県で過ごし、あまり近しい環境で育ったわけでもないのに、この血筋はかなりエグいシンクロをみせることで有名。ツッコミもボケもエグいのが分かっているので、身内のみの場所…
自宅から駅まで歩く間に本屋が4軒ある。まがりなりにもオフィス街だからなのか、それぞれキャラが違うので、毎日たのしく群雄割拠しているもよう。自宅から近い順に紹介。①ブックオフ:24時閉店。都内最大級とあるが、要するに郊外店のサイズ並み。何かを探…
書店では見つからなさそうだけどカウンターで予約するのもちょっとな、という本をamazonでまとめてオーダーしました。新刊じゃなくて古本でみんなみつかったので一冊300円程度なのは良いのですが、3つの店舗に分かれたせいもあってか本の代金3500円に対して…
桐野夏生が描く変人はなんでこんなに真に迫っているのだろうかね。「I'm sorry,mama.」の主人公アイ子は登場した時から、育ちの悪さから来る汚れ感と不気味さを漂わせている。他人に害を及ぼすレベルのズボラさが恐ろしいと同時に、怖いもの見たさで目が離せ…
MKさんの差し入れ、萩尾望都の「バルバラ異界」は夢を見ている少女と夢にダイブする案内人と彼自身の家族を含めた過去と未来が入り乱れる・・・と、好みの筋書きテンコ盛なのに「マイノリティー・リポート」だとか「セル」だとか「12モンキーズ」なんかをチ…
タイトルに少しでも惹かれた自分が嫌になるほど、北尾トロの「キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか」は非道かった。普段はなかなかできないことをちょっとした勇気を振り絞ってやってみようという企画ルポだが、ことごとく下らない。動機もダメだが、で…
吉本ばななの「アルゼンチンババア」のような本は得意じゃないのだ。「不倫と南米」というのも以前に読んだが、スルーしてしまった。ナナナンキリコなどと同じく、こういったタイプはどう味わって良いのかよくわからないで15分くらいで読み終えてしまう。じ…
花村萬月の「ぢん・ぢん・ぢん」の読みやすさは何かというと、新宿を舞台にわりとナイーブな勇者(20歳男子)がヒモを目指して冒険していくドラゴンクエストだからだと思う。ホームレス哲学者とかニセオカマのヤクザとかドブスの女編集者とか、えらく濃いジ…
「ツウな本ばかり読んでるみたいだけど、軽い本は糞ですか」と喧嘩の売り文句のようなメールが来て、JPちゃんが紙袋いっぱいの本をかしてくれました。花村マン月、小池真理子、吉本ばなな、などなど。こういうのって軽いのか?よくわかんないけど結構ツボ、…
「徳川将軍家十五代のカルテ」は徳川将軍15人の健康状態を、遺物や文献からできるだけ正確にとらえてみようと医者が書いているから、15人全員の名前なんか言えなくても楽しめちゃう。なんせ当時の庶民にゃ知らされなかった事を今になって知るというのは極上…
反日報道ばかりを耳にしていると、日本てばものすごい嫌われていて、それがもう現地じゃ毎日の話のタネなんだわーと勘違いをしそうになる日々ですが、いかがお過ごしでしょう。日韓友好のためには年寄りがさっさと死ななきゃね♪と昔、韓国人に言われた事を思…
女一人で入って昼から酒飲んでもゆっくり楽しめる場所ときいて蕎麦屋と即座に答えるアナタ〜、若ければ若いほどかなりの曲者。昼日中からツマミをちくちくつつきながら日本酒を傾ける事のできる気楽な身分でいたいねぇなんて、やっぱりロクな人間じゃない。…
ロシャーンジェルスに住んでいたころ。天気の良い朝に、今日こそはと車に宿題の本とバインダーを山と積んで、よし!と出かけた。午前中に外に出たまではよかったが、そのままフリーウェイに乗って、あれよあれよと山を越えて砂漠に出た。このあたりは出口の…
一巻出るたびにセリフを覚えてしまうくらい何度も読み返した「AKIRA」。自分にも金田みたいにハチャメチャな運命が待っていれば良いのにと、平和すぎる日常を恨むという罰当たりな中学生だった。にもかかわらず、最後まで読んでなかったわ〜という半端な人は…