国際報道の本

反日報道ばかりを耳にしていると、日本てばものすごい嫌われていて、それがもう現地じゃ毎日の話のタネなんだわーと勘違いをしそうになる日々ですが、いかがお過ごしでしょう。日韓友好のためには年寄りがさっさと死ななきゃね♪と昔、韓国人に言われた事を思い出しながら、温度差は違えどもおおよそ国民の間でどんな風にとらまえられているのか知りたいような知りたくないような、いや、知っとこうよ、というわけで「日本はどう報じられているか」タイムリーでオススメです。

欧米諸国のほかアラブ、中国、韓国とそれぞれの国での日本報道について、長年ウヲッチを続けてきた学者がそれぞれの章を担当しているので、東スポレベルの記事に右往左往するようなドジがないのがいい本です。各国のメディアの立場や波及率についても詳しく、どんな報道がどう受け止められ、どういう日本人観が成長してきたのかよく分かりませ。

欧米諸国では、異質な文化や経済成長を見て驚嘆と侮蔑の間を行ったりきたりしながら、なんとか建設的な意見や解釈へと収束していっているようで、報道にも歴史ありという感じです。

が、アラブは違った。日本てゲイシャフジヤマハイテクジャッキーチェーンくらいの乏しい認識しかない中で「ヒロシマ」が強く根付いている・・のはいいんだけど。アラブ的解釈付。「ヒロシマをやられた日本は当然アメリカに報復するでしょ、相手の非核化を狙うなんて賢いね、パキスタンのほうが先に核兵器作っちゃったけど日本のハイテクならすぐ作れるダイジョブダイジョブ」的な、アンチアメリカ同胞として生暖かい目を注がれているらしく。「話せば分かる」って嘘だなと認識を新たにしてから、最後の中国と韓国の章を読むと、素晴らしい流れの本でしたよ。

日本はどう報じられているか (新潮新書)

日本はどう報じられているか (新潮新書)