似非科学の本
今年はカードマジックのプロ養成コーチが教えるマジックレッスンDVDというものの制作に関わったおかげで、超絶技巧のマジックを目の前で見る機会にちょくちょく恵まれました。タネが分かったってできるものではないスね。タハ〜。このくらいできれば中堅サイズの新興宗教の教祖くらいにはすぐになれそうだと思いました。マジシャンよりよっぽど儲かると思います。軌道にのったらさっさと他の中堅教団とM&Aとかしちゃうと数年でミリオネヤーになれそうです。
先日の韓国クローン学者の嘘論文サイエンス誌掲載事件のように、人をだまそうと思って全身全霊をかけている人には騙されて当たり前だなと、思った年でした。来年は、顧客視点で気持ちよく騙せる人になりたいです、というのはコッチの話。実際、進歩している科学の最先端なんて精査できる人が地球上に数人しかいない場合、マジックほどの技術や努力なくして簡単にだませると思います。少し時代が経てばすぐにバレるのが難点だけど。
そんなほほえましいお話が「千里眼事件ー科学とオカルトの明治日本」につづられています。明治時代に一大ブームになった透視だとか念写がメディアを通じて科学的大発見→(急降下)→三面記事となるまでの顛末です。確認の為の実験方法なんて、本当に笑っちゃうくらい詰めが甘くて、周辺人物の愛憎劇だとかも含めるとヌルさ倍増です。でも、昔の人だしね〜って笑っている自分達もいつか未来の人に笑われるんだろうなと思うと、不思議とこそばゆい感じですよ。
- 作者: 長山靖生
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2005/11/01
- メディア: 新書
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