らもの本

中島らも氏が亡くなってしまった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040727-00000513-yom-soci
長生きを念頭に生きている人ではなさそうだったけど、この人がいなくなると私の中での「大阪」の価値はぐっと下がってしまうのだ。

数年前の広島出張で、やたらに夜がヒマなのに気づいてブックオフでしこたまらもの本を買って帰った事がある。その時の気分にピターとあった本が手許にわんさかあるシアワセというのは、隙間家具が取り付け家具のようにピターとはまった時のような喜びに似ている。そんなこんなで、らもの本は10冊以上読んだらしい。
http://www.age.ne.jp/x/ramo/index2.htm
で、こうやって一覧で見ると読んでない本も結構多い。が、全く網羅性のない紹介をしよう。きっと他の人のと補完しあって丁度良くなるだろうし。

「今夜、すべてのバーで」1991
健康診断で一週間の酒量をビールに換算して回答してくださいと言われ、本当の量の半分を答えたら「いくらなんでも飲みすぎですよ!」と医師にキレられた我弟君に進呈し「ちっとも笑えねえ」という感想をいただく。

今夜、すベてのバーで (講談社文庫)

今夜、すベてのバーで (講談社文庫)

「永遠(とわ)も半ばを過ぎて」1994
印刷機の写植打ちが睡眠薬を呑んでいる間に本を書いてしまうのだが。写植打ちの彼の中を文字が流れていく感覚だとか、プレゼンでいきいきする詐欺師だとか、らも氏の職遍歴や鬱病のお薬で体験した範疇の事柄をうまく料理した楽しいドタバタ劇。

永遠も半ばを過ぎて (文春文庫)

永遠も半ばを過ぎて (文春文庫)

「水に似た感情」1996
インドネシアマリファナを楽しみつつジェゴグの演奏にひたる。これ定番。(なのか!?)日本のドラマなんかの「大麻」関連の表現はお粗末を通り越して「それは覚せい剤やろ!」というのが多いが、マリファナのまったり感を表現しきってくれてありがとうという感じ。同名のジェゴグ演奏者、演奏対決の村や曲が入っているCD「バリのジェゴグ・巨竹爆奏」( World Music Library;KICW-1020 \2000)もあわせてどうぞ。ノーツにあるジェゴグ奏者が白目をむいていてナイス。

水に似た感情 (集英社文庫)

水に似た感情 (集英社文庫)

先日、のすふぇらとうさん(神)のGIFアニメサイト「活動漫画館」にある「のんちゃんのカレー/天国編」に「啓蒙かまぼこ新聞」1987のてっちゃん(神)がでてるの見てニヤけました。小さいころ、新聞で読むのは「明るい悩み相談室」だけだったという世代共通認識は生きつづけるのだろうかなと。あとは、追悼として「日の出商店街いきいきデー」(「白いメリーさん」1994収)を下妻物語を撮った監督さんが作ってくれないかのー。