ただのグチ

常にフザケタかんじのよろめきを織り交ぜながらメイルを書くのは、毎日やりとりする相手のみならず数年ぶりに連絡してきた同級生に対しても同じなのだけど。意外とそういう事をする人は限られているらしく、滅多と同類に出会わない。やはりちょっと失礼なのかもしれない。

今日、すでに主婦業数年になる大学時代の友人から空恐ろしいメイルを受け取った。このメイルが自分のと同じようにキーボードを叩いて紡がれたとは、到底おもえないトーンで書かれている。白い便せんを前にして、慣れないながらも丁寧に文章を書き留めようとしているのに、結局は自分の底意地が見えてしまうような文になってしまった。そんな一昔前の、手紙をしたためる時のような残酷さがある。推敲の過程が簡単になろうと、文章というのは早々変わるものではないのかもしれない。

「(あなたは)私と山へ行った方が良さそうですね。○子と三人、中年おばさんで山に行くことを勝手に予定しておりますので今のうちに山慣れしておかなければいけません。」

30歳目前で中年を自称する?しかもまるでご宣択のやうな口ぶり・・・

「もちろん、暖かい小屋に美味しい食事つきです。どうしても嫌だというなら、気が変わるまで待ちます。」

怖い。待たないで欲しい。宗教の勧誘じゃないんだから。もう、雪溶けまでじっと座って待ってそうな強い執念バリサン。

そして数年ぶりに海外にいる事が分かった同級生に対しては

「日本は美味しい秋の季節ですよ。何か食べたいものがあれば、そちらに送りますよ。でも、住所教えてくれないでしょうね。」

ええっ?
同期全員に送っている同報メイルとは思えない。この「湿度」に面食らってしまった。さらりと読み流せない粘着性に自分と違った月日の過ごし方をしたおんなの体温を感じたぁーっ、てのは言いすぎかもしれないけれど、こんななるんやったら多少は失礼で軽薄なほうがまだいいと思った。