歴史の本

だいたい日本史の授業って縄文時代から始まって、古墳や奈良時代は丁寧にやっているんだが、戦国時代でもう冬学期に入っていて江戸時代は1時間で終わったりしませなんだか?ウチの学校だけかそれは。

明治から戦後に至るまでなんて、教科書記述が問題になる以前に授業時間からして足りない=基礎情報さえ入ってなくてもまあいいわぁ受験の時は自分で勉強せいや、というのは私学だったからおこる事で公立だったらもそっと着々と学ぶのだろうかね。

多分戦前の教科書にはこういう人達の功績が誇らしく書きたてられていたのだろうなー、という人物が山のように出て来るのが江川達也の「日露戦争物語」。日本マンセー節を取り除いた際に、歴史の教科書は第二次世界大戦前までの日本の気概をリアルに伝えるような要素を抜き取ってしまったのだろうね。

日本海海戦に勝利した」て一行で終わり。みたいなね。え、日本って弱小やったのに、これには勝ったのけ?とまあ繋がらないわけですよ。でも戦勝を描くと魅力的なヒーローやらドラマが出てきて、そういう大活躍モノの冒険活劇には子供って感化されやすくって、そういう勢いへの共鳴ってのが単純に右傾化に繋がるから、全部なんとなくなかった事にしようよという了解が、自分らが使った教科書みたいな形になった原因のひとつなんだろうなーと。子供をみくびりすぎやと。

そういう「見えない落丁」を埋めるのに司馬遼太郎なんかが気持ちよい〜ってのが中学高校時代でしょうか。適度な史実と魅力的な解釈、そして際立ったキャラ。それをマンガに受け継いだのが江川達也

司馬作品を読んだ時に特有の主人公への惚れ込み加減だとか、その時代に生きている事全体への羨望みたいなもんを感じる事のできるマンガとして本好きのマンガ嫌いに薦めたい。(作画に好き嫌いはあるだろうけど司馬作品の画面展開がOKならアリだろうと。)あと、アメリカ育ちで日本史に弱いIJさんのような人には、日本の教科書よりこのマンガがピッタリ・・・というかIJさんに薦められて読んだんだけどね。

日露戦争物語―天気晴朗ナレドモ浪高シ (第1巻) (ビッグコミックス)

日露戦争物語―天気晴朗ナレドモ浪高シ (第1巻) (ビッグコミックス)