ただの妄想

おもしろオフィスで有名なクライアントさんのところに、今年図書館ができました。あめ色の美しい本棚とデスクで彩られた、ちょっと贅沢なひととき・・・を演出したかったのだろうけれど、みんな忙しすぎてチンタラと本なんか読んでいられないようです。社員の推薦図書というコーナーもおもしろいのに、それさえ書く余裕のある人もまばら。本棚はすかすかでした。
とはいえ、エントランス部分にも本棚のあるこのオフィス。社長の著書やら、ガラス板のスクリーンにプロジェクターで映すDVDのコレクションやらの他にも、わりとおもしろおかしいセレクションの本が並んでいます。
ラカンドゥルーズガタリフーコーヘーゲル・・・(笑)。確かにここの社長さんはとてもポストモダンな脳みそを持っていますが、名前をそろえる為にちょうど良い厚さの本を一冊ずつ買ってきたようです。かっこつけているのか、これでかっこがつくのかが、不思議です。訪問者が「いやぁ、フーコーか、懐かしいなぁ。こいつにゃあ随分悩まされましたよ」「それを言ったら、ボカぁラカンでつまづきましたから〜」なんて、あたりさわりのない昔話に花が咲いて今日の案件もツカミはオッケーなんていう展開が・・・あるわきゃねーよ。
分かりました、多分これは風水なんです。西に黄色を飾ると金持ちになるとかそいういうアレだと思います。きっとダーツバーや和室などのふざけた会議室を作ったバランス上、浮かれた気を鎮める重しにちょうどよさそうな本を揃えたのでしょう。あのラインナップの本棚にデリダがなかったのはドアストッパーに使われていたから・・・だったらむしろかっこいいと思えてきました。