ただの愚痴

必ず後でお腹を壊すと分かっているのに食べてしまう激辛料理のように、人はおりにふれて猟奇殺人サスペンスを読みたくなるんだろうかね・・・。ひまつぶしに手にとった翻訳モノのサスペンス「報復」がこれまた美人検察官+レイプ+連続猟奇殺人というルーチンを走り出したので、よっぽど読むのを辞めようかと思った。この後来るのは、トラウマと公判中の恋愛沙汰と内部の意外な線からの裏切り、そして終盤には美人検察官自身が危機一髪という目にあって、最後は公判中からいちゃついていた彼と明るい未来を予想させるキスでしめくくられるんだろう。映画化も視野に入れて。
そこまで予想しておいても、本に関しては「据え膳食わぬは人の恥」というくだらない博愛主義を貫いているので、読むのを辞めはしなかった。古館風に言えばベストセラー作家「勝利の方程式」から寸分も外れる事のない展開を、無表情で咀嚼し終えた。そして、猟奇殺人サスペンスは絶対に6時間後にお尻が辛くなる「陳麻婆豆腐」ほどはうまくないという結論に至った。